御成通りを歩いてみよう

Walking Kamakura/鎌倉散歩

この記事では、鎌倉の御成通りの雰囲気やお店などを紹介します。

御成通りとは

御成通りは、明治天皇が皇女のために造らせた「鎌倉ご用邸」の存在に由来して名付けられたようです。鎌倉西口から、御成通りが由比ガ浜大通りに突き当たるまでの南北方向に続く約350メートルの道です。

今回は、鎌倉駅西口から由比ガ浜大通りに向かって歩きました。

御成通りを歩いてみよう

御成通りは、御成町内を横断しています。

御成町は、鎌倉駅の西側一帯に地名として残っており、かつては高貴な方々が集う高級な別荘地として知られていました。現在の御成小学校から鎌倉市役所のある場所には御用邸が建てられ、皇族が訪れたことからこの地名がつけられました。

御成通り入口

御成通り入口には立派なアーチ型門がありましたが、2019年の台風で倒れてしまいました。設置から25年間使われましたが、再度設置するには費用もかかることから、現時点ではアーチ門の再建はなされていません。下の左側の写真で、在りし日の門が見られます。

アーチ型門はなくなりましたが、入口の脇には「鎌倉御成商店街案内図」があります。案内図の後ろにある建物は不動産屋です。

店頭に不動産情報が掲載されており、鎌倉周辺の不動産の相場を知ることができます。

通りの特徴

御成通りの舗装は、タイルです。アスファルト舗装と違い、タイル舗装は親しみ感と柔らかさが空間に生まれる気がします。時間制限付きの車両通行止めが設定されている道で、制限時間外は一般車両も通行できますが、タイル舗装のため歩行者優先の雰囲気もあり、車はほとんど通りません。

タイル舗装は、メンテナンスに手間がかかることから、雰囲気が良くなると分かっていてもなかなか設置できない舗装です。車の通行が少ないためタイルが傷みにくくなり、タイル舗装を保持できている要因かもしれません。

御成通りは景観地区(若宮大路周辺商業地)に位置しています。そのため基調色は鮮やかな色は使わない、建物の前面はキラキラした意匠にしないなど、都市景観形成の方針と基準が定められています。通り沿いに高い建物がなく、開放感があります。

御成通りのお店

御成通りには、レストラン、カフェ、菓子店、薬局、酒屋、美容院、衣料品店、宿泊施設など、多種多様な業態の店舗が軒を連ねています。かつてはパチンコ屋も存在しました。古くから営業している店と新しく開店した店が共存しており、個性的な店も多く見受けられます。

たくさんの店がありますが、今回は新しい店と古い店を一店舗ずつ紹介します。

御成通りの入口から約100メートル進んだ右側にレンガ調の外壁の建物があり、その建物の右奥にあるフランス菓子「レガレヴ」は、バターを使った洋菓子が好きな人にお薦めのお店です。2019年9月にオープンしました。最近のバターや小麦粉の高騰の影響を受けて値段は高めですが、丁寧に作られているお菓子やパンはとても美味しく、クッキー類はちょっとしたお土産にも良いです。また、店内では、かなり手の込んだデザートを食べることができます。

五差路から100mぐらい進むと、1948年創業の酒屋「高崎屋本店」があります。店頭には商品がきちんと並べられ、昔ながら雰囲気が良く残っています。お土産として、鎌倉ワインを使って作られている「かまくら梅サイダー」が買えます。

店が何軒もつながる御成通りですが、空き地もあります。高さ制限があるため、高層建築が建てられず、その結果、延床面積が思ったほど取れず、賃貸料を引き上げなければ新築建設が難しくなるのではと予想されます。賃貸料が高いと、地元に密着した小規模な店よりは、全国規模のチェーンストアが入ることが増えて、少しずつ鎌倉の地域らしさが失われていく気がします。

五差路の交差点

下の写真の前方に見えているのは五差路の交差点です。南北方向の御成通りに対して、直行する道と更に1本細い道があり、五又になります。五差路の交差点には、レストラン、洋菓子屋、歴史的建造物(旧安保小児科医院)などが面しています。洋菓子屋の鎌倉小川軒は、レーズンウィッチが有名です。

旧「くろぬま」の近く

そろそろ御成通りも終わりに近づいてきました。

写真の右側の建設中の場所は、「くろぬま」という紙屋がありました。紙屋ですが、水鉄砲、シャボン玉液、カラフルなプラスティックのおもちゃなど子どもにとって楽しい店でした。夏になると沢山の種類の花火が売られていました。

どのような建物が建つのかとても気になります。

御成通りの門が見えてきました。この門をくぐると由比ガ浜大通りに出られます。台風で壊れてしまうまでは、これと同じようなデザインの門(西口の門の方が幅が広かったです)が鎌倉駅西口側にも建っていました。

お疲れ様でした!

【Youtube】御成通りを歩いてみました